吾輩はトラネコなり。
コタツは好きだが、日本の蒸し暑さにはそれほど強くないのだ。
エアコンは命綱。
なのに、最近は停電のウワサをよく耳にするのだ。
なぜだ。なぜなのだ。飼い主はどうしたらいいのだ。
誰か、誰か、教えてはくれまいか…。
ニュースや気象情報を見ながら「“数十年に一度”という言葉、毎年聞くなぁ…」と思っている人も多いのでは…?こうした大きな自然災害の後には停電が発生しやすいといわれています。さて、停電に対して私たちはどう備えるべきなのか、地域や研究機関などで活躍するキーマンに伺います。
家庭用蓄電池「スマートスター3」を設置しているお宅を訪問した今泉さん。前編では屋外にある蓄電池の実物を見学しましたが、後編では室内にお邪魔。発電量などのモニターや各種操作ができるタッチパネルを見せていただきました。
前編はこちらから
「電力の見える化」で暮らしはどう変わる?
N様邸では洗面室に設置していますが、これは家庭ごとの好みに合わせて、キッチンでもリビングでも好きな場所につけられるそう。
タッチパネルは、リアルタイムで発電量や使用量が表示されるうえ、月々の売電量もひと目でわかる仕組み。機器の見守り機能もあり、もしエラーが表示されたら、メーカーに問い合わせれば24時間体制で遠隔対応してくれるそうです。
「使用量がわかると、電力に対する意識も変わりますね。たとえば、ドライヤーを使うと一気に使用量が上がるので、そんなときはもう少し節電しなきゃって思ったりします。使用量などは専用のアプリでも見られるので、外出先でもよくチェックしていますね。『あ、夫が今クーラーをつけているな』とか(笑)。最近では、エアコンやキッチン家電など、それぞれがどれくらい電力を使うのかが分かるようになってきました」(奥様)
日頃から備蓄品の見える化に気を配っている今泉さん、この話を聞いて「電力の見える化ができるわけですね」と感心した様子。「子どもとも、各家電の使用量を当てるなどゲーム感覚で学んでいけそう」と、さっそく防災に生かすアイデアが湧いてきたようでした。
続いて、蓄電池に関していちばん気になっていた点をズバリ質問。「停電しても、本当に何の操作もしなくていいんですか?」
「スマートスター」シリーズは、停電したら自動的に蓄電池から電力を供給してくれる。そうは言っても、何かしらスイッチを押したり設定を変えたりする必要があるのでは……。本当に何もしなくても自動で切り替わるのかどうか、機械オンチだという今泉さんにとっては、ここが大きな不安ポイントになっているのだそうです。
数値化されていると分かりやすい!
停電時の使い方はみんな気になるところだね。
疑似停電を実行!「何もしなくてもすぐ復旧」に感動
この不安に応えて、N様ご夫婦は「疑似停電」を行ってみせてくれました。まず家のブレーカーを落として、電力会社から供給されている電力を遮断。すると、エアコンや照明がすべて消えると同時に、洗面室のタッチパネルがピピッと鳴り、画面に「停電モード」と表示されました。
「あっ、停電した……」と不安そうにつぶやく今泉さん。しかし、それから1分もたたないうちに照明がパッと点灯し※、エアコンも何事もなかったかのように再始動。復旧のあまりの早さに、今泉さんも思わず拍手です。
「感動しますね! 本当に何もする必要がなくて、しかもこんなに早く復旧するなんて、蓄電池の頼もしさを実感しました。この安心感は確かにとても大きいですね」
今泉さんはもうひとつ気になることとして、太陽光発電が冬や梅雨どきに発電量が少なくなってしまうといったデメリットについても質問。「電気の備蓄量が少なくなっているときに停電が起きても、どこに優先的に電気を送るか、あらかじめ設定しておくことで、限りある電力を有効に使うことができます」と奥様が教えてくれました。
※復旧までの時間は数分かかることもあります。
なんと…!何もせず、こんなに早く復旧するのか…!
停電に気が付かない人もいるであろう…
「停電しても大丈夫」という思いが大きな安心感に
N様ご夫婦は奥様の主導で蓄電池を導入したそうですが、施工時に気になることはすべて業者の人に質問したといいます。ご主人は「蓄電池に関しては妻に任せっきりでした」と笑いながら、導入後の意識の変化をこう語ってくれました。
「停電になっても自動で電力を供給してくれるということで、安心感が大きくなりました。実は先日、この青葉区で停電があったんです。幸い、我が家の並びは停電しなかったのですが、お向かいの家々は真っ暗になって。突然の停電を目の当たりにしたわけですが、それでも『うちは停電しても大丈夫』という安心感がありました」
一方、奥様は2018年に発生した台風21号で大規模停電が起きた和歌山県のご出身。自身の出身地で被害が出たことから、今では自宅に飲料水や防災食、給水用のポリタンクなどを常備しているそうです。さらに、息子さんが生まれてからは、ミルク作り用にウォーターサーバーを設置したため、その水も多めに備蓄するよう心がけているのだとか。
これには防災のプロである今泉さんも、「水、食料、そして電気と、安心して在宅避難できる備えがあるわけですね。すばらしいと思います。お子さんが生まれたことも、防災意識によい影響があったのですね」と感心しきりです。
「やっぱり『息子のために』と防災意識も高まりました。私たちは1食ぐらい抜いても平気ですが、息子のミルクだけは欠かせません。災害にあってもできるだけ普段と同じ生活をさせてあげたいので、オムツも多めに備蓄しています」(奥様)
「家族を守りたい!」
ネコも分かる、この気持ち…。
費用や選び方については「納得感」を大事に
さて、家庭用蓄電池を太陽光パネルとセットで設置するとなると、費用はどのくらいかかるのでしょうか。導入を真剣に考えている今泉さんにとっては、この点も大いに気になるところ。
N様邸の蓄電池は、容量が13.16kWhの「スマートスター3」。同シリーズには9.8kWhと容量が少なめの「スマートスターL」もありますが、N様ご夫婦は普段の電気使用量が多めで、電気の契約アンペアが80アンペアもあることから、大容量のほうが適していたのだそうです。
実はこの「スマートスター3」には月額利用プランがあり、太陽光パネルと蓄電池のセットで初期費用0円、設置工事費0円、月々数万円のリース費用が設定され、15年間利用可能。保証期間も同じく15年間に設定されています。
「それで大きな安心感が得られるならコスパも悪くないのではないでしょうか。ただ、うちは電気契約が30アンペアだから、スマートスターLで十分なのかしら?」と、疑問が尽きない今泉さん。
調べたところ、契約が30アンペアなら普段の電力使用量もそれほど多くないと思われることから、今泉さんの場合は「スマートスターL」で満足できそう。ただ、停電が長引いたり、雨天が続いて太陽光発電の量が少なかったりといった場合に備えて、「電気はできるだけたくさんためておきたい」と考えているのであれば、容量の大きい「スマートスター3」を選ぶという手も。この点は、家庭の使用状況や備えたいレベルに合わせて選ぶのが得策と言えそうです。
家庭用蓄電池の実物から設置場所や静音性、そして疑似停電体験から料金のことまで──。N様ご夫婦のおかげで、今泉さんは不安に思っていたことをすべて解消できたそう。今後について、「伺ったことを参考に、自分でもちゃんと勉強します。買う側もちゃんと調べて、納得して購入することが大事ですものね」と、意欲を語ってくれました。
「お話を伺って、蓄電池をつけたいという思いがさらに強くなりました。水や食料は備蓄できるけれど、電気はためておけないでしょう。停電が長期になれば在宅避難にも支障が出てくる。そんな現状が、ここ何年かずっと不安だったんです。今日お話を伺って、これなら強力な停電対策になるし、停電時に自動的に復旧する機能はあまり機械に詳しくない私でも大丈夫だと思えました。リフォームに向けて前向きに検討します!」
日常にも災害時にも使える、
まさに“一石二鳥”な家庭用蓄電池。
まずは調べてみよーぜ!